沖縄NICE映画祭2グランプリ受賞作品
あらすじ
祖父が残した手紙を携え、韓国の群山という町にやって来た日本人のりえ。ゲストハウスで出会った韓国人の青年ミヌの助けを借りながら、りえは祖父が送ることのできなかった手紙の受取人を探そうとする。そしてりえは日本の統治時代に群山に暮らしていた祖父の秘密を知ってしまう。(by 全辰隆)
制作陣
FILM DIRECTOR
監督&脚本 – 全辰隆
(チョン・ジニュン) /
전진융 / Jin-(r)Yung CHUN
CAST
りえ役 : イ・チス
ミヌ役 : ペク・ゴニ
ジュウォン役 :イム・ジヒョン
STAFF
撮影:チョ・ソンウ
製作:キム・ヨンソク
助監督:キム・スリム
演出部:チョン・ジェヨン、イ・ギル
制作部:ハン・ジェテク、ミン・ソジョン、キム・ウォンボン、ミョン・セジン
撮影部:ヤン・ジウン、キム・インソク、チェ・ジョンミン、チョ・ヨンジュン
照明:イ・ヨンイン
照明部:ク・ソンホ、オ・ソンテク、ソン・ジホ
美術:イ・ジョンア
絵画作家:ホン・チェヨン
編集:ク・ユンジュ
リレコーディングミキサー:ホン・スルギ
フォーリーアーティスト:チョン・ナウォン
音楽:ノ・ヨンシム
作品に込めた想い
そんな時期に生まれたせいか、二度の世界大戦を経た世界は平和への道を歩んでいると、子供の頃なんとなく思っていました。
しかし2001年9月11日…
飛行機がビルに衝突するという、まるで映画のワンシーンのような恐ろしい光景を私はテレビで見ていました。
期待とは裏腹に、世界は平和への道を歩んでいませんでした。
世界から戦争はなくなっていませんでした。
そして2020年…
日韓関係が私が生きてきた中で一番悪化している時、コロナ禍というパンデミックに突入してしまいました。
人々の往来は止まり、ネット上では差別や偏見がはびこり、世界は再び大きな誤ちを犯してしまうのではないか…そんな危機感を感じ始めました。
ですが心配もむなしく、世界では紛争や戦争が激化しています。
憎しみの連鎖を止めない限り、この悲しみは永遠に続くことでしょう。
人類の歴史は加害と被害の連続でした。
悲しい歴史を繰り返さないために私達は過去とどう向き合い、どう未来に繋げればいいのでしょうか…
平和への近道は私にも分かりません。
だけどきっと、小さな対話から生まれるつながりが大きくなっていくことで、少しずつ平和に近づくことができるのではないでしょうか?
そんな想いを込めながらこの映画を作りました。
映画監督 全辰隆(チョン・ジニュン)
>> OFFICIAL WEB SITE を参照
グランプリ受賞
那覇市の桜坂劇場にて 2024.1.26-1.28 開催の沖縄NICE映画祭2。見事グランプリを獲得したこの作品には、賞金30万円(提供:沖縄NICE映画祭)、副賞オリジナルデザインWEBサイト1年間(提供:株式会社木立)の2つが贈られました。
応募143作品の中から、3日間の上映作品を絞る第1次選考でも、約20名の委員団から非常に高い評価を獲得した作品です。前年に応募された「客観的恋愛談」においても、全辰隆監督の卓越したストーリー展開力、物憂げなシチュエーションをも絶妙に描き切る独特の映像感覚等が際立っていました。(by 加納)
受賞歴・映画祭名 | 受賞内容 |
---|---|
ジャパンワールド映画祭 2022 | グランプリ・観客賞·脚本賞 |
Sinchon Image Festival 2022 (韓国) | グランプリ |
山形国際ムービーフェスティバル 2022 | グランプリ |
東京インディペンデント映画祭 2022 | 準グランプリ |
Larkspur International Film Festival 2023 (韓国) | 脚本賞 |
唐津演屋祭 2023 | 銀賞・観客賞 |
Love & Hope International Film Festival 2023 (バルセロナ) | Best International Short Film |
ちば外房映画祭 2023 | グランプリ |
第7回福井駅前短編映画祭2023 | 優秀賞 |
沖縄NICE映画祭2024 | グランプリ |
熊谷駅前短編映画祭2024 | 優秀賞 |
プロフィール
Film Director & Video Creator
全辰隆 (チョン・ジニュン) / 전진융 / Jin-(r)Yung CHUN
Birth Day, Dec 21 1989
「視点を変えることで世界が違って見えてくる。
そんな普段とは違った視点を見せることにより、感動を与えることが映画や映像の力だと思っています。」
秋田県秋田市出身、在日韓国人3世
ソウル大学校 (韓国)
西語西語文学部、情報文化学部卒業
韓国芸術総合学校
専門社(修士課程)映画科演出専攻卒業
<これまで脚本/演出した映画>
・短編『国道7号線』(30分/2024)
・短編『父の写真』(9分/2021)
・短編『客観的恋愛談』(21分/2020)
・短編『韓国式』 (10分/2018)
・短編『窓の外のソウル』(8分/2016)
講評
映画監督 中川陽介
映画監督 山里 孫存
かつて戦場となった沖縄から、この作品にグランプリを出せた事を、とても意義深く感じています。
映画監督・NICE主催・実行委員長 沖田民行
映画監督・NICE実行委員 平良竜次
観終わって、とても良い気分に浸れる。そんな映画体験でした。この映画がグランプリで本当に良かったです。
デザイナー・NICE実行委員 加納斉親
アーティスト 服部卓明
映画「ミヌとりえ」は現代の人が忘れてしまった当たり前の事を気づかせてくれる。この世界をやさしさで包み込む 宝物のような作品。
映画監督 神谷邦昭