沖縄NICE映画祭3:応募153作から57作品が入選・上映権獲得!グランプリ賞金30万円の栄冠はどの作品に?(2025.1.31~2.2)桜坂劇場にて3日間上映
沖縄NICE映画祭3:グランプリ『竹とタケノコ』川上信也監督

沖縄NICE映画祭3:グランプリ『竹とタケノコ』講評

沖縄NICE映画祭は、自主制作映画の映画祭ということもあり、非常に尖った作品や、監督が個人として本当にやりたいことを表現している作品が多い印象でした。

そんな中で、『竹とタケノコ』は、一見すると、そうした作品群の中に埋没してしまうような作品かな、というのが正直な感想でした。

授賞式の様子(グランプリ)左側:中川監督、右側:谷口氏

というのも、映画としての完成度が非常に高いんですよね。俳優さんも、知った顔が何人も出ていて、こう、なんて言うんですかね…「新しいものを観た!」とか「これぞ日本映画の次のステージだ!」というような、そういうものではなくて…。ごめんなさい、決して貶しているわけではないんです。非常にオーソドックスな作りだったので、前半は少し油断して見ていたのですが、後半の…あの青年、清水尚弥くんですね、彼が、発達障害的な部分からガラッと変わっていくところの芝居が、本当に凄くて。「この俳優は誰!?」ってググりたくなるぐらい、本当に素晴らしい演技をされていました。

(一般の方である)豊橋の人々が出てくるんですけども、清水くんは、彼らとの関係性をしっかりと構築していて、良い橋渡し役になっているんです。若い役者さんなのに、本当に凄いなと思いました。

そして、周りの大人たち(豊橋の一般の方々)も、朗らかに「お前ダメだよ〜」なんていうのが自然に引き出されていて。多分、彼の天性のものなのかな、と。監督がそれを引き出したんだと思います。そこが、今回の高い評価に繋がった大きな要因ですね。

30分強の映画なんですけど、2時間ぐらいの映画を見たような、そんな満足感がありました。

個人的には「やられたな」という思いで、グランプリに選出させていただきました。本当におめでとうございます。

沖縄NICE映画祭3:グランプリ『竹とタケノコ』講評
(審査員長:中川陽介)

沖縄NICE映画祭グランプリ『竹とタケノコ』(37分/監督:川上信也)

グランプリ獲得『竹とタケノコ』(中編:37分/監督:川上信也)

※何と!ポスターにNICE3のロゴマークが!早速掲載をしていただき、NICE一堂感謝です!

※東愛知新聞2025.2.8の一面に掲載されたグランプリ受賞に関する記事
https://higashiaichi.jp/news/detail.php?id=24200