2022年7月~募集の始まった沖縄NICE映画祭(全国公募)の第1弾では、映画製作に関わるスタッフの方々にも光を当てたいという気持ちがあって、撮影賞と音響賞を企画会議の席で手を上げ、組み込みさせてもらいました。
新しく開設した「音楽賞」の選定に至るまでの話(by 加納)
ボクは元々フィールドワークとして小2の頃からカセットデッキとマイクを持って、あちこちの音を拾いに行ってた様な変な子供だったので、映画の音、つまり撮影時に録音された様々な音や後から付け加えた効果音、そして音楽などの相乗効果や、どうやって撮影してるかみたいな、技術の人達の見えない仕事に、とても興味と敬意があったのです。
で、その想いを、前前職でお世話になったPCワンズの鈴木社長やe☆イヤホンの大井社長に相談した所、「おもしろい事やってるなぁ」と2つ返事で「副賞提供しようか!」って快諾をいただいた。お2人はボクのソフマップ販売推進部時代(1992~1997)の恩人。鈴木さんには、大阪販促時代と東京販促時代、ネット販売時代に大変お世話になった。
大井さんは中古販売・買取部門のマネージャーであり、一時期同僚として売上拡大に邁進した仲。ボクは97年の冬に退職したけれど、大井さんは役員にまで登り詰めた才能豊かな御仁。鈴木さんは当時副社長として現場スタッフ全員の先頭に立ってらっしゃった。
そういう仕事上のつながりながら、沖縄に移住して20年になる、元部下、元同僚のオジサンの頼みを快く引き受け笑顔で応援してくださるという事に、感謝の気持ちしかありません。
話は戻って、でまぁ当然、審査に関わる上で、音楽的な事(知識・経験・目利き)の、白羽の矢を立てさせてもらったのが、大山健さん。元プログラマーでかつ現役のミュージシャン。沖縄で有名な日出克さんのサポートキーボーディストとしても活躍されていて、映像制作や録音などの現場経験も積まれている。その上、大の映画好きで、様々な作品をご覧になられてて、年令がボクと近い事もあり、古い映画の造詣も深い。
あと、NICEメンバーで映像制作のプロである新田さんと撮影や音効にも詳しい田口さんの協力を得て、2つの賞を選定しました。
この時に、思ったのが、純粋に音楽の部分を評価したいなという気持ち。音楽と音響を1つにまとめるのは、本来とても無理のある事なので、それだったら次回は、絶対に音楽賞・音響賞・撮影賞の3つに分けるべきだと。
こうする事で、大山さんには純粋に音楽の部分のみに注力して選定をいただいた。
田口さんには音響(録音や効果音など、全体の音に関して)、
新田さんには撮影に関する部分。
正直、どの作品も凄いんです(笑)なので優劣をつける事自体が本当に難しい。今回の上映作品の中で、音楽賞の選考リスト、つまり音楽賞候補としてノミネートされていたのは、19作品に登ります。
・ひどくくすんだ赤
・あなたが言うなら
・キグルミブレード 〜着ぐるみむーと僕ものがたり〜
・駆け抜けたら、海
・在りのままで進め
・アリの王国 ~未来の電脳社会はアリを超えられるか?~
・ノット現状プランニング
・REM れむ-The waves of endless dreams- MK-C
・ミヌとりえ
・ブクブクあわのゴシゴシけん
・融解セヨ思考
・ヒコットランドマーチ
・風ぬままに2022 〜風のしま あこなわ〜
・狐の嫁入り
・深骨
・僕の翼は、足になった。
・フューチャー!フューチャー!
・復讐take2
・時には昔の話を/森山周一郎 声優と呼ばれた俳優
最終選定には絡んでいないけれど、ボクは今回とてもワクワクした。どの作品にも良い音楽がひしめいているからです。
選考を大山さんにお願いしたのが12月の頭、大山さんは19本全ての映画を観て、悩んで悩んで悩んだ末に、4本をピックアップ。
そしてその中から至高の1本を決めてくださいました。
◆沖縄NICE映画祭2:音楽賞「在りのままで進め」作曲:佐藤リオ
※音楽賞:受賞コメントはこちら >> 開封の儀0003
すごく心に引き込まれるストーリ展開で、重要なシーンでのサウンドトラックがとても効果的である。そんなに多く使用されてはないんですが、ラストシーンでは主人公の気持ちを表現した高揚感のあるコード進行とストリングアレンジで楽曲を仕上げていて、さらに、エンディング曲が非常に美しくこの物語を締めるにふさわしく心に響きました。
(選考 by 作曲家・指揮者 大山 健)
※単純に音楽だけでなく、ストーリーとの関連性を含め、技術的にもどうであるのか?について、詳しく分析いただいたので、音楽賞を設定して、また大山さんにお願いして、本当に良かったと感じています。by 加納